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2025.09.28
立誠コラム
西京中・洛北中に受かる子の特徴と、ご家庭でできること(2025-2026年度)
西京中・洛北中の「求める生徒像」と、合格する子の実際
中学校受験における入試問題、および適性検査は、その学校の教育理念や「求める生徒像」を元に作成されます。京都府立洛北高校附属中学校(以下:洛北中)もまた同様です。したがって、「サイエンス(自然科学)」に興味・関心が低い子は、洛北中には不向きと言えます。同様に、自己表現に抵抗のある子が、「エンタープライズシップ」を掲げる西京高校附属中学校(以下:西京中)に合格するのもまた、難しいことです。
学習塾に通わずに合格できますか? と、相談を受けることがあります。
以下、正直にお答えしますね。
「素質がきわめて高い」か「素質がある程度高く、適切な勉強を継続できる子」のなかには、タブレットや通信教材などの自主学習で合格する子も、極まれにおられます。
学校の成績が悪いけれど、合格できますか? という質問を受けることもあります。
私は17年間、西京・洛北中の適性検査対策を続けてきましたが、主要4科目(算数・国語・理科・社会)のなかで「がんばろう」が付いている子の合格は、経験がありません。一方で、すべての科目で、ほぼ「できる」が並んでいる子のなかには、これも少数ではありますが、合格した子が存在します。
そして、合格する子の特徴は、いずれも「合格したい、という強い気持ちを持っている」ことです。
以下の偏差値表(※立誠学院グループ作成)の通り、西京中と洛北中は、まごうことなき「難関校」です。
そして、これらの学校は、中高一貫校としての、その個性の強さゆえ、「なんとなく受けたら合格した」という子の割合は、他の私立中とくらべて、極端に下がります。

ご家庭でできること
どうしても学習塾に通えない、という方は・・・
まず、小学4年生の夏以降であれば、「小学生新聞」を読んで、見識を広めておくことが効果的です。
例えば、令和7年度入学考査の「適性をみる検査Ⅰ」では、カブトムシの幼虫の飼育に関する説明文が出題されました。ここで、「カブトムシの幼虫」を、ビジュアルで見たことがある子と、そのイメージがつかめない子とでは、文章の理解に雲泥の差が生まれてしまいます。
日々の「小学生新聞」は、自然科学、人文科学、社会的現象、あるいはスポーツ、栄養学、・・・と、幅広い知見が、小学生にとってもわかりやすく、イラストや写真付きで説明されています。
もし可能であれば、それぞれの記事をスクラップし、要約したり、あるいはご家庭の夕食の際に、その日の新聞記事を口頭で要約して伝え、その感想を話し合う、という場が設けられれば、言うことはありません。
ちなみに、小学生新聞は、出版社に特にこだわりがなければ「朝日小学生新聞」がおすすめです。
そして、計算練習帳が必要です。ただ、作業になってしまうような、かんたんな計算ドリルではなく、その子にとって少しレベルが高いものを選びましょう。
たとえば、日能研教務部の「マスター1095題」や、桐杏学園の「計算練習800題」は、小学4年生から使える学年別の問題集となっており、市販本のなかではおすすめです。
一方で、おすすめできないのが、「公立中高一貫校 」の対策問題集です。

西京中・洛北中の適性検査は、その出題レベルが高く、入試難易度も全国屈指です。窓口の広い、やさしい公立中高一貫校向けの問題集では太刀打ちが困難です。
その他、馬渕教室の「下剋上算数」は、別途の解説書が充実しており、かつ無学年式のため(といっても小5の夏くらいからが、現実的です)自主学習のしやすいテキストです。
英俊社「合格トレイン 数と計算」もまた、特に洛北中の受験生にとっては、おすすめの市販本です。ただし、こちらは小6生対象で、かつ解説が薄いため、塾に通っておらず、質問の場が無い子にとっては、不親切かもしれません。
場馴れするための「私立中プレテスト」
小学6年生の9月から12月にかけて、各私立中学校で「プレテスト」が行われます。
その中には、西京中・洛北中と同様に「適性検査型」を実施する学校もあります。
特に、花園中「オープンテスト」は、西京中・洛北中と同じく、国語分野、算数分野、理科・社会分野と、各100点・合計300点満点のテストのため、本番の練習には最適です。
ぜひ、「場数を踏むためにも」申し込みましょう。

最後に
学習塾に通うのは、何年生からが理想ですか、という質問もまた、よく承ります。
おそらく、その答えは「その子によりけり」です。小学1年生からお預かりして、賢くなりつづける子もいれば、小学5年生の秋から入学して、そういった子たちをゴボウ抜きしていく子たちもいます。
入塾は早ければ早いほうがいい、とも思います。ただ、その一方で、勉強を押し付けられた子は、伸び悩む傾向にあります。
受験に向けて勉強してみたい、という子供の声を待つのが理想ですが、そうでなくても、入塾後、その学習塾が大好きで、授業のない日も自習教室に行きたがるようであれば、まず心配はありません。その子の「本来の限界を越えて」、賢くなるはずです。

【この記事を書いたひと】
佐々木 上(ささき じょう)先生
立誠学院創業メンバーの一員。「西京・洛北中専門コース」主任。
各授業大会の優勝実績はナンバーワン。生徒・保護者からの信頼も抜群。
好きな食べ物はランチパックとコーヒー。苦手なのはスポーツ全般。50m走はもはや完走できる自信がない。